レポート④ 田原陽二郎~コロナ発生から今日まで(地区青少年交換委員会)
2020年04月27日 (月)
派遣生名:田原陽二郎(スポンサークラブ:東大阪東RC)
派遣国:台湾(台中)
私はCOVID-19の存在を二月の上旬、ネットニュースで知りました。その当時は自分と離れた場所ということと、コロナウイルスが風邪のウイルスと一緒ということから危機感をあまり持っていませんでした。私は一月下旬にタイへホストファミリーと旅行に行きました。ネットニュースでは罹患者が中国の武漢で多数、そしてタイの入国検査でも数名見つかったと書いていたので、直近にタイに行っていた私は少し不安に思うところもありましたが、潜伏期間と言われていた2週間が経っても特に何もなかったので、COVID-19のことを忘れて普段の生活へと戻っていました。
次にCOVID-19のことが話題に上がったのはすぐでした。春節が終わり、普段の生活に戻ったかと思いきや、いきなり春節休暇の延長が発表されました。私の通う現地校はもちろん、台湾全土の学校が対象でした。期間は2週間でした。しかし、その時もまだ危機感が薄く、繁華街へ現地校の生徒と遊びに行ったりしていました。
二月中旬アメリカとデンマークの交換生2人から連絡が来ました。2人は台湾の現地校で企画されていた、北海道の旅行に参加予定だったのですが、数日前、北海道でCOVID-19の感染者が出たと、ニュースになっていたので、日本は大丈夫なのか、安全なのかと聞かれました。私は安心して日本に行っていいよ、と言いたかったのですが、現実問題、COVID-19への対策をほとんど取っていなかったので安全と言い切ることができず、やるせない気持ちになりました。
それに対し、台湾がどんな対策を取っていたかというと、高校や大学など、公共施設や建物などが入場制限され始めました。入口が限定され、そこを通過する際にはマスクの着用と体温を測ることが義務付けられました。体温が37.5度を上回っていると入場不可とされました。また、バスや電車など規制が困難な場所では体温を測るなどの措置は取られませんでしたが、マスクの着用はやはり義務付けられていました。私は一度マスクの着用を忘れてバスに乗車したのですが、運転手にマスクをしないと発車しないぞと怒鳴られました。
今、両国の罹患者の数を比較してみると、日本が圧倒的に多いです。そのことから、日本人は台湾への入国が禁止されています。私はCOVID-19が発生する前から台湾に住んでいるのでそういう意味では日本と全く関係がありません。しかし、私が日本語を話していたり、日本人ですというと、よく思われないことが事実としてあり、肩身がせまい思いをしています。私はまだ未成年ということで政治と離れたところにいると思っていましたが、今回の件で国の方針や政策で、諸外国から偏見を持たれることを体験しました。
日本は先進国の一国とされていて、今回のような世界的な危機に直面した際、率先してWHOと協力して対策をしないといけないはずです。しかし、実際はWHO、日本、その他先進国と言われている国々どこも対策がうまくいかず、今も苦しんでいます。一方台湾は、一国として認められておらず、WHOにも参加もしていませんが感染をうまく予防できています。同じ島国という点から日本も対策をうまく取れていれば台湾のように罹患率を下げれたのではないでしょうか。
今回の交換留学は大幅な計画変更、国によっては期間満了前の帰国があり確かに残念な思いはしました。しかし、私は今回の交換留学で稀有な機会を与えられた、通常とは全く異なる経験ができたと思います。もう私の帰国予定まで2ヶ月弱しかないので、悔いの残らない最高の留学にできるよう思い出を沢山作ってきます。こんな事態でも留学を継続させて下さっている第2660地区とガバナーに感謝しています。